「ぽてちゅう」売上の一部を農業振興へ寄付
~県内企業・団体がチームで島の農業振興へ取組んだ成果~
沖縄本島の東方約360kmに位置する沖縄県最東端の北大東村(宮城光正村長)は、同村特産品開発プロジェクトの前年度成果について、じゃがいも焼酎「ぽてちゅう」販売実績を含めた経過発表と「ぽてちゅう」売上にともなう寄付金の贈呈を行います。同商品は、北大東島特産品開発プロジェクトにより2015年11月に発売された第1号商品で、その売上の一部は同村の農業振興に活用されることになっております。
なぜ、じゃがいも?
当村では農業が主要産業で、サトウキビが基幹作物です。サトウキビ栽培では、台風や干ばつ等による被害回避のための複合経営や病害虫予防のために、じゃがいも、南瓜などの園芸作物を輪作として導入しています。じゃがいもは、生産量の約15%が規格外品となり、その一部は廃棄される状況にありました。最盛期には700tを超えた生産量も、昨今では100tを割り込む状況にありました。規格外品を有効活用し特産品を開発することで、農家の生産意欲を高め、農業振興を図ることが課題となっていました。
プロジェクト始動!
同PJは平成26年5月12日、北大東村内において、6次産業コーディネーターである石原修(コープおきなわ理事長スタッフ)さまの呼びかけにより、プロジェクトチームが結成され、北大東村役場を中心に、JAおきなわ北大東支店、北大東村馬鈴薯生産部会、生活協同組合コープおきなわ、久米仙酒造株式会社、沖縄ハム総合食品株式会社、有限会社協進食品の6つの企業団体で構成されました。
なぜ、焼酎?
開発する特産品の検討にあたり、北大東村が離島であること考慮し、常温で輸送が可能で、長期保存ができる加工食品を目指しました。この条件に合致するものとして最初に「じゃがいも焼酎」が挙げられました。
短期間で商品化!その理由は
じゃがいも焼酎完成までにはハードルがいくつかありました。その中に主原料である規格外品のじゃがいもの確保と1次加工がありました。人手不足や生産者の高齢化により、規格外品だけを選別し収穫することは大変困難なことでしたが、同PJチームでは、2つの新たな挑戦で原料確保の問題を解決しました。
一つは、1個30キロの収穫箱の運搬回数を減らすことができた、折りたたみ式の網コンテナの導入。もう一つは、収穫期に島へ派遣された応援団の存在でした。障害をもった方々十数名による援農隊の自炊による2週間にわたる島での収穫支援活動が、農家の方々にとって大きな助けになり、大きな励みにもなりました。
また、土のついたじゃがいもの洗浄、皮むき、加熱加工までを請け負っていただいたプロジェクトメンバー協進食品さまの存在があり、焼酎製造担当の久米仙酒造さまへスムーズにバトンタッチが行われました。
ほんのり甘く香る焼酎
「ぽてちゅう」は、独自の醗酵醸造法とじゃがいも独特の風味を活かすことのできた減圧蒸留法により製造されました。独特の風味に、じゃがいも特有の爽やかな香りと味が調和しています。すっきりとした飲み口で親しみやすく、素朴ながら華のある味わいに仕上げています。
生産農家倍増!目標160トン
収穫行程での重労働の軽減化や援農隊の支援が見込まれること、じゃがいも焼酎「ぽてちゅう」完成などが、契機となり、平成26年7戸だった生産者が平成27年14戸になりました。新たに加わった生産者には若者の担い手も現れ、一気に村の馬鈴薯生産部会は活気付きました。
島の農業を元気にする仕組みづくり
同PJチームは、「ぽてちゅう」が、北大東村の農業に活力を与え、島が誇れる特産品になることを願い企画開発、製造いたしました。「ぽてちゅう」消費が島の農業振興に結びつくように、「ぽてちゅう」1本につき30円が島に還元される仕組みも設けました。
「ぽてちゅう」の販売は、北大東村が中心となり、JAおきなわ北大東支店をはじめとするPJメンバーや当村郷友会のご協力も頂きながら、北大東島内から大きな輪を広げていきますので、ご支援ご協力の程よろしくお願い致します。
平成27年度販売実績(H37年/11月-H38年3月)
販売本数3,526本(約2.5キロリットル)
平成27年度寄付金
農業振興寄付金110,000円
内訳)ぽてちゅう販売より寄付105,780円(1本につき30円)
久米仙酒造㈱様より寄付 4,220円
お買い上げ頂きましたみなさま、ありがとうございました。